「
ルポ貧困大国アメリカ」という本を読んだ。
現在のアメリカの、いわゆる報道されない現実を記した内容となっている。
日本とは比べ物にならない格差社会の恐ろしい現実。
むしろ政策的に格差が作られ、それが定着し、
生きるために選択肢がなくなり戦争へと赴く。
戦争に赴くも、そこに政治的思想や義務感などはない。
ただ、生きるために、お金を稼ぐために行く。
行かなければ、生きられない。
アメリカの政策全体に通じるのが、新自由主義による、
国家が担っていたことの、あらゆるものの民営化。
災害対策、医療、戦争、すべてが民営化され、
すべてが利益追求が必要な事業へと化す。
日本でも、郵政民営化が最近実現されたが、
郵政のみならず、あらゆることが民営化された場合の
恐ろしさがすでにアメリカの現実となっている。
著者がいうように、「いのち」等にかかわること、
生存権にかかわることは、民営化してはいけないのだろう、きっと。
アメリカの医療制度にも驚いた。
日本のような国民皆保険の制度がなく、
民間の保険に各自はいる。
企業の保険組合による保険に入っている場合もあるが、
一度大病して、保険を適用して回復しても、
その企業の保険料が高くなるからという理由で解雇されるという。
そして、医者にかかることで、多額の金がかかり、
それにより破産する例が多い。
上記のような悲惨な状況、
格差による貧困、そしてセーフティネットの貧弱さ、
医療制度が充実していないことにより、生存するための多額の医療費。
アメリカは生存権がおびやかかされていると、著者は警告する。
そして、生存権を脅かされ、
それによって、イラク戦争等に行くこと等しか選択肢をなくし、
戦争ビジネス、貧困ビジネスにより、
富めるものはより富み、貧困層はより貧困の度合いを増す。
マスコミには報道されない悲惨なアメリカの状況をかいま見ることができた本である。
日本国憲法25条には、「生存権」が規定されている。
内容は以下の通り。
1.すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2.国は、すべての生活部面について、社会福祉、
社会保障及び公衆衛生の向上 及び増進に努めなければならない。
いわゆる日本国憲法下にないあらゆる人にも、
生存権があると思う。
憲法9条がよく話題になるが、著者が言うように
むしろ、25条の方が重要だろう。
格差社会がこのまま進むような政策が取られた場合、
健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるのか?
社会福利、社会保障、公衆衛生の向上を享受できるのか?
へたなホラーよりも、恐ろしい現実がある。
ただ、その一方で、自分が下層には落ちたくないという現実、
自分が下層におちなければ、ある程度他人が犠牲になってもいい、
というリアルな思いもある。
そう思う時点で、恐ろしいのだが...
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